キャビネットの鍵を折ってしまい、上司から説教タイム
小学校時代のあだ名はパー子だった。パー子と言っても林家パー子ではない。パッパラパーな子という意味でもない。パー子というのはパーマンに出てくるパー子の方である。どうしてそんなあだ名がついたかというと、私が女子にも関わらず、怪力だったからだ。腕相撲では負け知らずで、クラスの男子でも私にかなうヤツはいなかったし、綱引きでは必ず列の一番後ろで綱をぐるぐる巻きにさせられる役だった。先生もそういう意味では私に一目置いていて、引き出しが固くて開かないとか、重いコピー用紙の束を職員室から教室に運ぶ時なんかは、必ず私を指名した。女子だったけれど別にそういう役回りがイヤではなく、むしろ男子を差し置いて私が選ばれるというのが栄誉だと思っていたくらいだ。
中学高校と成長するにつれて私の怪力ぶりは増していったが、小学生のときと違うのが、そんな私にも羞恥心が芽生えてきたということだった。好きな男の子ができたというのも大きい。私は次第に怪力を隠すようになっていた。もし私の力に気づいて発掘しようとする人がいれば、私はプロレスラーとか重量挙げなんかの道に行っていたのかもしれないけれど、私は伝家の宝刀をしっかり納め、ごくごく普通に生きることを選んだのだった。
そして現在、私は普通のOLをしている。そして今になって、ものすごく後悔しているのだ。どうして自分の力を活かした道に進まなかったのだろうと。私はあまりの怪力ぶりに、会社に迷惑をかけてしまうことが多い。今日もそうだ。キャビネットの鍵を奥まで差し込まないうちに回してしまったため、鍵を折ってしまったのだ。普通のOLならそんなことありえないだろう。もちろんその後は上司から説教タイムである。「力の加減を考えなさい」って怒られるOL、私以外にいるんだろうか。
そんな私のストレス発散方法は、いらなくなったフライパンを力任せに捻じ曲げることである。
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